日本障害者歯科学会の資格を取得されている田中先生。一般の方だけでなく、障がいをお持ちの方やご病気のあるご年配の方などを含めた多様なニーズにも対応できる医院を目指されています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
日本障害者歯科学会 指導医 認定医 専門医
たなかデンタルクリニックの特徴を教えてください。
当院の特徴は、医院全体をユニバーサルデザイン設計にして、障がいをお持ちの方にも対応ができることです。診療室の床にはクッション素材を採用しており、万が一院内で転んだ場合もダメージを軽減できるよう設計しました。その他には各チェアーの間隔を広くとり、カウンセリングルーム内でも車椅子やストレッチャーが入るスペースを設けています。そのため障がいを持たれている方はもちろん、小さなお子様連れの方からご高齢の方まで、安心して通える医院ができたと思います。
もう一つの特徴は、全身麻酔ができる手術室を設けていることです。この部屋の壁には鉛を入れているので、手術室内でレントゲンを撮影することもできます。隣には体調を整える回復室も併設しております。このような施設は大阪府内・兵庫県内でも少なく、一般の歯科では対応が困難な患者様に対して重要な役割を果たすことができると考えています。治療を進められずお困りの方は、全身麻酔を含め様々な治療方法がありますので、ご相談いただければと思います。
診療においては、患者様のお話をよく聞き、しっかりと説明することを心がけています。患者様一人ひとりに合った選択肢を提示して、オーダメイドで治療計画を立案しています。患者様と信頼関係を築き、生活環境や生活背景を踏まえた上で計画を練ることが治療を成功させる秘訣だと思います。
今後の歯科業界についてと展望を教えてください。
今後の歯科業界は、障がいをお持ちの方が気軽に歯科医院を受診できる環境の整備が必要だと思います。業界内のネットワークは構築されつつありますが、障がいをお持ちの方に浸透しているわけではないので、問題が起こったときに迅速な対応できるよう、今後は周知を図っていきたいと思います。
また、予防歯科の認知を上げていくことも大切だと思います。歯のメンテナンスはもちろんですが、小さなころから歯科治療に慣れていくことが重要です。特に障がい者歯科では、上手に安全に診療が受けられない患者様を、診療が受けられるよう行動変容することが重要と考えていますので、療育一貫として予防歯科に取り組み、お口の健康と歯科治療への慣れを身に付けてもらいたいと思います。
治療が苦手な方や病気を抱えている方、精神的にストレスを感じている方、ご年配の方まで、当院ではお悩みを抱えている皆様のお手伝いが少しでもできればと考えています。