日本小児歯科学会専門医、指導医の資格を取得されている春木先生。小児歯科医としての心構えや働きやすい環境の整備することで、患者様だけでなくスタッフの方々からも信頼を集めています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
歯学博士(岡山大学)
米国ワシントン州歯科医師免許
日本小児歯科学会認定 小児歯科専門医・指導医
日本障害者歯科学会認定 障害者歯科専門医
日本矯正歯科学会認定 矯正歯科認定医
先生が歯医者を志したきっかけは?
高校生の時に通院していた歯医者さんがきっかけです。それまでは将来は小学校の教師になりたいと思っていましたが、親しくしてくださった先生に憧れて歯科医師の仕事に興味が沸きました。その後、歯科医師の仕事も子ども達に影響のある仕事だなと思い、小児歯科医を志しました。
はるき小児・矯正・歯科の特徴を教えてください。
こぐまキッズルーム(当院スタッフの子どもの為の企業主導型保育園)
当院は小児歯科を中心としたファミリーデンタルクリニックです。メディカルモール内の内科・外科・小児科・耳鼻科・薬局と緊密な連携を取り、多面的な診断と治療を受けられることが特徴です。勤務医時代から「本当の意味での小児歯科医を目指すなら、子どもだけを診るのではなくその家族も診る事により、家族構成や生活背景を理解することで、子どもの診療に幅が増すので重要だ」と指導を受けてきました。そのため、開業当初から大人を診療する副院長に来ていただき、小児専門の医院ではなく、ファミリーデンタルクリニックとして今日まで診療を続けています。また矯正治療にも注力しており、勉強ためにワシントン大学に留学しました。ワシントン大学は当時世界で唯一、矯正治療を受けた患者様の10年後データを多数収集していました。そのデータをお借りして「乳歯が残った早期で矯正治療を始めた患者」と「永久歯が生え揃ってから矯正治療を始めた患者」の術後10年後の歯並びの“後戻り”について研究しました。結果、早く治療を始めた人の方は後戻りが少ないことがわかり、この研究が私の学位論文になりました。矯正治療は奥が深く、治療を始める時期について、よく矯正歯科学会の中でも議論されております。当院では研究を基に患者様の成長に合わせた治療計画をご提案し、お子様の口腔に関わる治療は全てを完結させる気持ちを持って小児歯科医として診療にあたっています。
そしてもう一つ当院の大きな柱は、障がい者歯科です。開業時から障がいをお持ちのお子様を多く診させていただきました。現在も養護学校の校医を担当し、口腔ケアに関する啓蒙活動を続けています。働くスタッフも経験を重ねていくと、次第に障がい者歯科について興味を持ってくれるようになり、院長として心境の変化に嬉しく感じることがあります。
そして当院は働く環境の整備にも取り組んでいます。先日、ひょうご仕事と生活センターから、「ひょうご仕事と生活のバランス認定企業」として、認定されました。長年、新卒採用に力を入れ、勉強熱心なスタッフに支えられてきました。沢山の女性スタッフが活躍しており、当院には欠かせない存在です。そのため子育てと仕事の両立を支援し、結婚や出産を経験したのち職場復帰がしやすくなるよう企業主導型保育園「こぐまキッズルーム」を3年前に開設しました。柔軟な保育サービスを提供して女性が活躍する社会への貢献できればと考えております。
今後の歯科業界についてと展望を教えてください。
社会には歯科医が活躍する場面がたくさんあると思います。活躍の場を見つけるために歯科医は今後、他職種と連携する事が必要だと思います。私自身、7つの保育園で園医を務めており、「口の発育」や「咀しゃく」に関する相談をよく受けています。医院に来てくださる患者さんのことだけを考えるだけでなく、他職種と連携すれば問題を見つけることができ、患者様のためにつなげることができると思います。また様々な病気と歯科が関係していると注目されており、口腔機能の重要性についても理解が広まっています。例えば、上唇小帯や舌小帯の異常は咀嚼や発音にも影響します。そのため歯科医が先導して医科との連携を積極的に取るべきです。歯科医は一般診療だけでなく自ら活躍する場面を探し、医療の研鑽に励み、常に医業を開拓していく努力が必要だと考えています。
当院としては、お口の周りの筋肉の働きからお口の発育や健康にアプローチして行きたいと考えています。食事の与え方はお口の開口や歯並びに影響を及ぼします。そのためお子様にはしっかりと噛む練習、親御様には離乳食の与え方などの指導をおこなっています。お子様の成長に不安を感じる親御様もいらっしゃると思いますが、小児歯科医としてお子様の成長に合わせた治療やアドバイスをお伝えできればと考えております。