実は歯のトラブルの原因の7割は「食いしばり」などの力が原因で、そこに注目し、患者さん一人ひとりの根本的な原因を解決する治療を行っている井出先生。他の歯科医院では改善しなかった症状も先生に診てもらうことで改善した患者さんもたくさんいらっしゃるそうです。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
日本食育小児育成研究会会長
著書
ちょっと待って!その歯の痛み、8割は削らなくても治ります!
歯医者が書いた歯医者に行かなくてすむ本
先生が歯医者を志したきっかけは?
私の叔父が歯科医師だった影響が大きいです。また、組織に属するよりも自営業でやることに憧れがあったので歯科医師を目指すことにしました。
井出デンタルクリニックの特徴を教えてください。
実は、歯のトラブルの原因の3割は、虫歯や歯周病などの細菌による炎症の問題で、残りの7割は、「食いしばり」などの力による問題です。約200キロの負荷が歯や歯茎、顎の関節に加わり続けることでトラブルが生じています。当院ではその7割にフォーカスを当てて、「食いしばり」の治療をしているところが特徴です。
口の中に現れている症状とそこに対する治療は、木で言うところの枝葉の部分です。そこで私が気になったことが、木の幹がどうなっているかです。幹がきちんと地に根を張り、しっかりとした土地で養分や水分を吸い上げていけば、枝葉は生き生きと生い茂ると思います。しかし、幹をそのまま放置して、枝葉ばかり追いかけて本当の「原因」を見落としていることがたくさんあることに気がつきました。
口の中の症状は、「食いしばり」「顎の位置のズレ」「全身のゆがみ」などの「原因」から出てきた結果です。なので、前提条件として、まず「原因」を治療することが、何よりも先に行うべき治療だと考えています。根管治療も、緊急性がある場合を除き、ある程度「原因」を除去してからやらなければ、削らざるをえなくなってしまうこともあります。矯正歯科も補綴治療も同様に手順を踏んで、「食いしばり」などの「原因」を除去してから最終的に治療に入ります。他の歯科医院で、症状が改善しなかった患者さんが、当院で「食いしばり」の治療を行った後に通常の歯科治療を行うことで症状が改善したというケースもありました。なかなか症状が改善せず悩まれている患者さんは、実はその症状は「歯」ではなく「食いしばり」が原因かもしれません。当院では、患者さん一人ひとりの根本的な原因を解決する治療を行っています。
患者さんとお話する際は、わかりやすく、理解してもらえるまでとことん説明することを心がけています。インフォームドコンセントとインフォームドチョイスを大事にしており、私の責任と患者さんの責任を明確にした上で治療に進みます。
今後の展望を教えてください。
顔の歪みやたるみに悩まれている女性は全国にたくさんいると思います。どうしてそうなっているのか、どうやって治したらいいのか、私は理屈がわかっているので治す自信があります。首や肩、腰の不調も同様です。
筋肉緊張型の頭痛は全国に約3000万人も悩まれている人がいます。それに対して、鎮痛剤、筋弛緩剤、抗うつ剤などの薬を使って治療をしているところがほとんどです。私から言わせると、顎を閉じる時に、自然と側頭筋を使っていることが原因なので、簡単に言えば筋肉痛です。筋肉痛を治すのに薬は必要ありません。その筋肉痛を解消すればいいのです。
30年以上の時間をかけて独自に築き上げたこの治療法で、悩みを抱えられている全国の患者さんの症状を改善していけたらと思っています。