大学病院の口腔外科で長年勤務し、多くの臨床経験を積まれてきた井上勝元先生。日本口腔外科学会の専門医資格も取得されており、これまでの経験、技術、知識を患者さんに還元されています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
歯学博士
日本口腔外科学会 専門医
日本有病者歯科医療学会 専門医 指導医
先生が歯科医師を志したきっかけは?
父親が歯科医師だった影響が大きいです。家の近くに診療所があったので、よく遊びに行ったり、父親が治療をしている姿を見て、自然と歯科医師を目指していました。
井上歯科医院の特徴を教えてください。
私は大学の口腔外科で約15年勤務し、多くの臨床経験を積んでまいりました。また、日本口腔外科学会の専門医資格も取得しているので、当院では親知らずの抜歯はもちろん、粘膜疾患の診断や口腔内の腫瘍やがんに対して不安を抱えられている患者さまのご相談にも対応しています。現在も週に1回非常勤講師として大学に行っているので、大学病院とも連携が取りやすく、全身麻酔が必要な手術の場合は大学病院で行っています。
また、私は日本有病者歯科医療学会の指導医の資格も取得しているので、全身疾患をお持ちの患者さまの診療も行っています。生体管理モニターも導入しているので、不整脈などの心疾患がある場合は生体管理モニターで管理しながら治療をしています。他にも緊張で血圧が高くなってしまう方には静脈内鎮静法で治療をしたり、嚥下内視鏡もあるので、嚥下の評価や嚥下訓練も行ったりしています。
当院は、基本的に裸眼診療はやりません。全ユニットにマイクロスコープを設置し、歯科衛生士含めて、すべての治療にマイクロスコープや高倍率の拡大鏡を使用して、細かいところまで見逃さない治療をしているところも特徴です。
基本的に悪いところを削り取って、代替の人工物に置きかえるというのが歯科の治療なので、治療を繰り返すたびに歯の量は少なくなっていきます。そうならないために、当院ではできる限り1回治療をしたら再治療をしなくてすむような治療をすることと、骨に埋まっている歯は絶対に残す治療を心がけています。
今後の歯科業界についてと先生の展望を教えてください。
私は地域の人たちに健康で幸せになってもらいたいと思っています。そのために本当に私自身がいいと思った治療を保険治療、自費治療から患者さまの状況に応じてご提案させていただいています。その提案をするためには良心がすごく重要で、もちろん自費治療を積極的に提案すれば、歯科医院側の収入も大きくなりますが、やはり歯科医師は医療に携わる者として、もっと自覚を持ち、良心に従って診療をしていって欲しいなと私は思っています。
今後に関してですが、当院で勤務している若い先生が、将来地元に帰って開業したときに、しっかりとその地域の人を幸せにできるような歯科医師を育てることが目標です。そのためにはやはり私自身も研鑽を積んでいかなければならないですし、新しいことにも挑戦していく必要があると思っています。
また、歯科衛生士にも、もちろん生活のために仕事をするということも大切ですが、仕事の楽しさも教えていきたいです。歯周病は歯科衛生士が治すことができる病気だと私は思っています。歯科衛生士は、自身の手で患者さまが治っていくところを実感することができるとてもやりがいのある仕事なので、そういったことを教えて、楽しく仕事をしてもらえたらと思います。