つの歯科 口腔外科 院長 津野 宏彰 | 歯医者の選び方

日本口腔外科学会と日本口腔インプラント学会の両学会で専門医資格を取得されている津野先生。約20年間の総合病院での勤務経験、専門医としての知識、そしてデジタル機器を組み合わせた、効率的且つ、高精度な治療をご提供されています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただきました。

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医学博士
日本口腔外科学会 専門医
日本口腔インプラント学会 専門医・指導医

先生が歯科医師を志したきっかけは?

 私の両親は医療系とは関係のない仕事をしていたので、幼少期から歯科医師や医師を特別意識することはありませんでした。高校生の進路を決める時期になり、そこで初めて歯学部という進路があることを知りました。医師の先生方は医学部を卒業してからそれぞれ診療科を決めていると思いますが、歯学部だけはなぜか医学部から独立していたので、歯科医師はある意味特別な職業なのかなと興味を持ったことをきっかけに、歯科医師の道に進むことにしました。

つの歯科 口腔外科の特徴を教えてください。

 当院の特徴は、①総合病院での経験と専門医制度に基づく治療体系、②治療はもとより予防により重きを置く指針、③安心・安全な医療を行うための環境整備、と考えています。
 私はこれまでに日本口腔外科学会と日本口腔インプラント学会の両学会の専門医資格を取得し、学会のガイドラインに基づいた、精度の高い、安心・安全な治療を提供することに努めてきました。ケースによっては他院で対応が難しいと判断された症例に関しても、当院で対応が可能な場合もあります。実際に、他院から紹介で来られる患者さんも多くいらっしゃいます。
 また私は20年以上、大学病院および関連病院で勤務し、全身疾患をお持ちの患者さんもたくさん診てきました。大学の歯科口腔外科講座では、詳細な診査がとても重要で、診査を十分にすることで正確な診断につながり、正確な診断が適切な治療につながるということを叩き込まれてきました。患者さんが訴える症状と初見に矛盾がある場合は、すぐに診断に結び付けるようとはせず、経過を見たり、場合によっては歯科用CTなどの精密検査を活用したりするなどして、適切な診査・診断を行うことを日々心がけています。長年の病院勤務の経験から、当院では初回診療時には十分な時間を確保して、患者さん一人ひとりの背景や全身の状態などを踏まえながら、どういったところに問題があるのか、どのようなリスクがあるのかを慎重に考えるようにしています。

 さらに虫歯、歯周病(歯槽膿漏)など、予防が一定可能な歯科疾患に関しては、治療よりも予防に重点をおいています。もちろん歯科治療が好きな方はいらっしゃらないと思いますので、一定の治療後、メインテナンスを続けることで、その後の治療が不要となることが理想と思っています。ただ現実的には、治療が全くなくなるというのは、なかなか難しいところもありますので、必要な際に最小限な治療にとどまるようにしていけるような環境を作っていくことが我々の仕事だと思っています。
 当院では、1)適切な診査・診断により患者さんごとのリスクを予見し、2)予見したリスク因子に基づいたメインテナンスを継続、3)メインテナンスの継続で良い状態が保たれることで、患者さんのモチベーションが上がり、さらに良い状態が継続していく、という好循環を構築していきたいと考えています。

 これらのために、設備面では、歯科用CT以外にデジタル顕微鏡や口腔内スキャナーなどの機器を積極的に導入してきました。デジタル顕微鏡では、治療を行う部位を最大80倍に拡大した画像をモニター上で確認しながら、外科切除範囲を最小限に且つ確実に病巣を取り除くために使用しています。そういったデジタル機器を診査・診断・プランニングの時点から活用しつつ、私の専門医としての知識・経験を組み合わせることで、より効率的且つ、高精度な治療を提供できたらと考えています。
 口腔外科手術に携わることもあり、院内の衛生管理体制にも重きをおいています。新型コロナ感染症の拡大以前の開業時より、プライバシーの保護と院内感染予防の強化のために個室の診療室を設計し、カウンセリングスペースも完備していました。また、機器の洗浄機および滅菌機を計5台使用し、それぞれの機器の状況や問題点に合わせて、最適な洗浄・滅菌処理を行っています。

今後の歯科業界についてと先生の展望を教えてください。

 私が大学で研修を始めた頃と比べても、医療の中での歯科の役割が年々大きくなっている印象があります。今も週に1回は大学病院で外来診療を行っているのですが、摂食嚥下療法や周術期口腔機能管理などの医療連携がどんどん進んでいますし、総合病院の中でも歯科が新設されたりしているので、医療の中での歯科に対するニーズというのは今後も増えていくと予想しています。
 歯学部だけが医学部から独立していたことが歯科に興味を持ったきっかけではあるのですが、実際歯科医師になってから、時にはそのことが逆に弊害になっていると感じることも否定できません。現在は、歯科医師会の中で、医科と歯科、薬剤の連携を強化する点についてお手伝いさせていただいていますが、歯科医師も、これまで以上に全身的なことを理解した上で、医師、薬剤師の先生方と連携を深めていくように心がけていかなければならないなと思っています。

 また歯周病をはじめとした歯科の病気は糖尿病や高血圧症など、メタボや生活習慣病に共通・関連する点が多く、前述のとおり、予防により対処が可能なことも事実です。さらに、歯科的な予防が全身的な健康維持につながることも多々報告されていますが、我々のアピール不足もあり、お口の健康の重要性への理解が不十分なところは否定できません。患者さんの理解を深める努力を続け、最終的に国民の健康寿命の延伸につなげるためにも、日々の診療を1つ1つ丁寧に行っていくことが重要だと考えています。

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