東京国際歯科六本木 医療法人社団 EPSDC 理事長 宮下 裕志 | 歯医者の選び方

「北欧の予防歯科」の考え方をベースに世界基準の歯科医療を実践し、また、それを若手歯科医師に伝えるために、数多くの講演や勉強会を行っている宮下先生。今日は、先生の考える歯科医療について医院の特徴や今後の歯科業界についてなどと絡めてインタビューさせていただいた。

宮下先生1枚目

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スウェーデン王立イエテボリ大学院 公認歯周病専門医
スウェーデン王立イエテボリ大学院 公認歯内療法専門医

北欧式(スカンジナビアスタイル)の歯科医療は、世界でもトップクラスで、「理想の歯科医療」を目指す為に、スカンジナビアンスタイルの歯科医療をトータルで学べる国内唯一のコースを実施
「北欧の予防歯科」の考え方をベースに世界基準の歯科医療を実践

著書
抜歯・小手術・顎関節症・粘膜疾患の迷信と真実 クインテッセンス株式会社
やさしい診査・診断学 クインテッセンス株式会社
世界で最も成功率が高いスカンジナビアエンド クインテッセンス株式会社

投稿文・文献・国際文献多数
学会発表、学会講演多数

先生が歯医者を志したきっかけは?

宮下先生2枚目

幼少期に、家の中で遊ぶことといえば、漫画を読んだり、プラモデルを作ったりが主で、私は細かい作業が好きだったので、医者か歯医者になろうと思いました。
最終的に歯医者を選んだ理由は、血を見るのが嫌いだったからです(笑)
でも、歯科大学に入った初日に血のスライドを見せられて、「えっ?」と思ったのを覚えています。

東京国際歯科六本木の特徴を教えてください。

当院の特徴は、1度治療したところが再治療にならないことです。健康な状態をずっと維持してもらうことを目標にしています。
少し歯が欠けたり、小さい虫歯ができて治療に来られる方もいらっしゃいますが、それは表面的な問題で、根本的な問題にはあまりお気づきでない方が多いです。実際に患者さんに症状を聞いてみるとみなさん「そうです。そうです。」と心当たりがある方も多いです。それを気づかせてあげられるかどうかが重要なので、初診時にしっかりと時間をとっています。
多くの歯科医院は、初診に行くと、患者さんの言うことに合わせてすぐに治療を始めますが、それは医療ではありません。例えば、家を建てるのにいきなり家を建て始めることはないと思います。希望を聞いて、見積もりを立て、作っていくと思います。それは歯科医療も同じです。
当院では1日5人しか見ません。時間をかけないと適切な治療はできないと思っていますので、一人ひとりの時間をしっかりととっています。医科と違って、歯科は薬を出して治る病気は1つもありません。歯科は診断もあって、治療もあるので、医科のように1日に多くの人を診ることは絶対にできないと思っています。
再治療にならないためには、適切な治療をすることと、健康状態を維持する努力をするという2つのことを考えてあげればいいだけです。再発しないといってもいろいろな問題があります。虫歯などの病気の場合と、例えば詰め物がとれるとか歯が欠けるなどの物理的な問題の場合です。でも、その時にその原因を患者さんに伝えているかというと、たぶん伝えていない歯科医院が多いと思いますし、対策もとっていないと思います。
病気や物理的な問題を1つずつ起こらないようにするためにはどうすればいいかを考え、気づかせてあげる必要があります。虫歯が起こらないようにするためには、歯科医院側の問題だけではなく、患者さんがやらなければならないこともたくさんあります。それに気づいてもらえる治療計画をしっかりと決めてから治療を進めていくようにしています。

今後の歯科業界についてとその中での先生の展望を教えてください。

宮下先生3枚目

今後、歯科業界は大きくは変わらないと思っています。
本当に変わらなければと思っているのであれば、あと5倍くらいは歯科医院を増やさなければなりません。
そうすることで、現状当院では1日5人しか診ていませんが、他の歯科医院も1日5人しか診られなくなります。そうなると、保険診療だけではやっていけなくなるので、もっときちんとやらなければならないという自覚が出てきて、本当に真剣に考えるようになると思います。
ただ、少なくともこの20年は、報酬制度も変わってないですし、治療のクオリティも大きく変わっていません。
1日何十人も見ないと売り上げがあがらないような現状の保険システムでは、いい治療をすることも難しいと思います。
当院では、正確に適切な治療をしたいので、マイクロスコープを使い、時間もしっかりとっています。少なくとも正確な診断と治療計画と治療。この3つがしっかりできるかどうかがポイントです。これは時間と知識がないとできません。
患者さんが思う治療計画はまた違いますし、だからこそ相談する時間は必要です。その人にとっての適切な治療というのは違うので、それは私たちが考えなければならないことだと思っています。
今後の展望は、きちんと患者さんを診ていける若い先生を増やすことです。当院にも指導勤務医がいて、当院の理念を学び、いずれ巣立っていきます。そういう人が多くなれば、その理念が正しいということになります。今は、自由診療が中心で、時間もかかり、ブラッシング指導も何回もやるので、患者さんからしたら「そんなに面倒くさいの?」と思われるくらい特殊なことをしています。でも、そうしないと健康になれないということに気づいていないからであって、気づけた人は、このやり方がむしろ良いとなります。治療もきちんとやる中で、セルフケアも自分でやって初めて、気づけるわけです。
国民全体がそういうことに関心をもてるような国にしないとだめだと思います。どこの国に行っても歯科は保険がききません。だから、多くの患者さんを診ないできちんと治療をする先生が外国には多く、それを真似しようとしても今の日本の保険システムでは難しいです。
私が20年以上言い続けているのですが、予防だけ保険診療にすべきだと思っています。安く予防ができるので、通われる患者さんも増えると思います。そこで虫歯になってしまうのは自身の責任なので、その治療に対してはお金を払うべきだと思っています。 きちんと患者さんを診ていける若い先生を育て、増やすことで、患者さんも医院での治療だけでなく、セルフケアもやることで気づいていただけるようにしていきます。そして、患者さんがそういうことに関心をもてるように正しい理念を広めていきたいと考えています。

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