みさき歯科医院 院長 見崎 徹 | 歯医者の選び方

麻酔の専門家として、多くの歯科医院に麻酔、鎮静をするために出張されている見崎先生に特徴や今後の業界についてなどインタビューさせていただいた。

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歯学博士
日本大学准教授(2016年3月退任)
日本大学歯学部付属歯科病院歯科麻酔科科長(2016年3月退任)
日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医・認定医
日本歯科心身医学会指導医・認定医
日本障害者歯科学会指導医・認定医
日本有病者歯科医療学会指導医・認定医
日本口腔インプラント学会基礎系指導医
AHA(アメリカ心臓協会)認定BLS2010ヘルスケアプロバイダー・AHA(アメリカ心臓協会)認定ACLS2010プロバイダー ICD認定医

著書
フローチャート式歯科医のための救急処置マニュアル
歯科医のための痛みの診断・治療マニュアル

セミナー・講演実績多数

先生が歯医者を志したきっかけは?

私の祖父が名古屋で3番目に歴史のある歯科医院をやっていて、父も歯科医師だったので必然的に3代目として歯科医師の道に進みました。

見崎徹先生の特徴を教えてください。

口腔外科の大学院を出て口腔外科の臨床からはじめ、その後麻酔科に移りましたので、現在は口腔外科の仕事をやりながら麻酔の専門家として仕事をやっています。
みさき歯科医院では口腔外科とインプラント、それ以外では出張麻酔、出張鎮静、障害者の全身麻酔、院内出張セミナーをメインにやっています。
歯医者は痛い、怖いというイメージがあるのでその精神的ストレスを極力なくせるようにしています。出張先では患者さんと初対面で、いろいろお話を聞いた後すぐ麻酔、鎮静をしなければならないので、短時間で不安や緊張を和らげられるように心がけています。
院内出張セミナーでは、実際に医院にお伺いし、直接アドバイスをしながら安全な患者管理、緊急時の対応に関する知識や技術など実習を通じて学んでいただけるようにしています。

今後の歯科業界についてと展望を教えてください。

超高齢化に向かうので、有病者が増えていきます。また、子供もストレスに起因する不眠やうつ病などのいろいろな病気が増えているので、年配の方だけが危険というわけではなくすべての年齢層に渡っていろいろな配慮が必要です。昨今では、虫歯は減り、残存歯の数も増えてきているので従来の治療とは変えていかなければなりません。そんな中で麻酔科はどうやって安全に治療を行えるかということを勉強して、その情報を臨床の第一線の先生や学生に提供していく必要があります。
歯科は、矯正歯科以外ほとんどの場面で局所麻酔を使う特殊な業界です。日本の歯科の局所麻酔の販売量は年間約5500万本です。この水準は毎年ほとんど変わりません。患者さんが良い歯医者を選ぶ最初のハードルは、外観や内装が綺麗であることや若い先生だからということではなく、麻酔が痛いか痛くないかです。ある歯医者に行って治療を受けたときに、もし麻酔が痛いとその歯医者に続けて行こうと思わなくなります。
約5500万回局所麻酔が使われる中で何割が痛みに配慮した局所麻酔をしているかというと良く見積もって1割程度です。HPに電動の注射器を使っているから痛くないと書いているところもありますが、その麻酔が痛いか痛くないかは先生が決めるのではなくて患者さんが決めます。私は痛みのない注射、究極のストレスフリーを目指したいです。
過去の体験で歯医者の麻酔を痛いと思っている患者さんも多く、1度それを経験してしまうと他の医院に行ったとしても次の麻酔も当然痛いと思って患者さんは来院されます。その精神的なストレス、恐怖、不安感をどうコントロールするかが今後の開業医の1番のポイントです。
私のような歯科麻酔の専門家は静脈内鎮静法か全身麻酔を担当するので、開業医の先生には笑気吸入鎮静法を使ってもらいたいと思っています。現状大学の教育でも少なくなってきていて、開業医でもあまり使われていないのですが、だんだんと復活の兆しが見えてきています。笑気吸入鎮静法をすべての臨床の先生に正しく理解いただいて、正しく普及させることが私の展望です。

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