蕨の地に根ざして約65年。地域密着の歯科医院として多くの患者さんに信頼されている旭歯科医院。今日は院長の長弘謙樹先生と3代目の茂樹先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
【院長】
歯学博士
日本小児歯科学会 専門医
日本歯周病学会 専門医
先生が歯医者を志したきっかけは?
【院長】
1番の大きなきっかけは父が歯科医師だったことです。ただ、小さい頃はあまり歯科医師になりたいという意識はありませんでした。父からも自分がやりたいことをやりなさいと、跡継ぎを強要するようなことは言われませんでした。私は乗り物が好きだったので、電車やバスの運転手、高校時代には本気で、飛行機のパイロットになりたいと思っていました。
ただ、私は長男だったのでこの医院を継がなければこの医院は消滅してしまうと、いつの日か、ふと気が付いたときに、たまたま医療系の海外ドラマを見て、すごく心を打たれました。それから自分の中で医療に対する畏敬の念が芽生え、父の患者さんに尊敬される姿、患者さんを思う姿を見る中で、自分の意志で医療関係に進みたいと思うようになり、歯科医師の道を目指しました。
【茂樹先生】
小さい頃は自分が歯科医師になることは想像できず、父からも後継ぎをしなさいとは言われませんでした。しかし、自分の将来や、やりたいことを考えたときに、幼いころから身近に感じていた歯科医師として働く祖父や父の姿に憧れを抱き、この道に進みました。
旭歯科医院の特徴を教えてください。
私の父の代から長年この地に根ざしてやってきましたので、地域との密着度がとても高く、患者さんとの信頼関係や、絆が強く結ばれていて、家族的な温かさがある医院だというところが特徴です。なので、患者さんとスタッフの距離が近く、患者さんも垣根なく話しかけやすい雰囲気です。親子3代で来ていただける患者さんや遠方から来ていただける患者さんもたくさんいます。
私共の医院は、表層的なサービスに過度に迎合するのではなく、正しい診断と診療の学術性、きめの細かい丁寧な治療など、本質的な医療の部分を信頼して来ていただくことを大事にしています。
技術面で言えば、私は小児歯科と歯周病の専門医資格を取得しておりますので、より専門的で高度な治療が可能です。元来私の性格が几帳面なほうなので、丁寧できちんとした治療をしないとダメなんです(笑)
衛生面では、最高水準のクラスB滅菌器やミーレ洗浄器を導入し、完璧な衛生管理を行っています。照明は患者さんの目に眩しくないようにしており、マイナスイオンの出る空気清浄機も導入するなど清潔な院内環境を整えながら、患者さんが快適に受診して頂けるような配慮をしています。
歯科用CTも導入しているので、インプラント治療もCTで検査して、正確な治療計画を立てて、安全に治療を進めています。
歯科疾患においてより高度な対応が必要になる場合は、大学病院や地域の連携医療機関に紹介させていただきます。医科の先生からも信頼をいただけていているので、地域の連携医療機関から逆に紹介をいただくことも多いです。全身疾患のある患者さんの抜歯依頼や、心臓手術の前に口腔内の状態を改善してから手術をしたいとのことで歯周病治療やメインテナンスの依頼を受けたりなどしています。
今後の歯科業界について教えてください。
【院長】
これだけ歯科医師が増えている中で人口が減り、患者さんの数が減っているわけですから、1つのパイを色々な形で取り合っている状況です。いろいろな情報によって患者さんから信頼される医療機関と信頼されない医療機関にふるい分けされていくと思います。だからこそ昔ながらのスタイルだけではなく、患者さんの希望に応えられるように自分たちも勉強しながら切磋琢磨していくことが必要です。
専門に特化した技術がある医院は強いです。なんでもできることがもちろんいいですが、すべてを100パーセント勉強することは難しいので、医科でも科がある程度分かれているように歯科の中でもある程度分かれておりますので、その中で自分の得意分野の研鑽を積み、その方面に特化した歯科医院が増えても良いのではないかと思います。
予防の知識もその思想もだいぶ普及してきたので、昔と比べると虫歯の数が減ってきています。予防により歯科の疾患を減らせれば、生涯の歯の残存歯数を増やすことになります。このことが全身疾患の減少につながり、健康寿命が向上し、しいては医療費の抑制につながります。これからの歯科医師は医科との医療連携により、更なる健康寿命の更新を目指し社会貢献できる立場にあると思います。
【茂樹先生】
競争の厳しさから、どんどんサービス業界化していると感じます。その中で医療としての本質を失わないように、患者さんにとってベストな選択をさせてあげることが大切だと思っています。
最後に今後の展望をお願いします。
【院長】
仕事をする以上は、スキルアップし続けなければならないので、生涯勉強だと思っています。新しい技術を取り入れるために積極的に学会に出ていますし、勉強会にも参加しています。ただ、現役でやれる時間も限られているので息子の熟成度をみながら私の目にかなうレベルに達したら自分は楽屋裏に入らせて貰おうかなと思っています。
【茂樹先生】
祖父と父が築いたこの医院の土台を崩すことなく、さらに上積みしていくためにも、新しい技術やシステムを取り入れ、より多くの患者さんから信頼を得られるようにしていくことが私の役割だと考えています。