阿部歯科医院 院長 阿部二郎 | 歯医者の選び方

下顎の総入れ歯の「吸着」技術を日本だけでなく世界に広めた阿部先生。英語版の書籍も出版し、海外で講演もされています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。

医院紹介はこちら

有床義歯学会(Japan Plate Denture Association )名誉会長
BPS国際インストラクター
日本臨床歯周療法集談会 常任理事

著書、講師実績多数

先生が歯医者を志したきっかけは?

仙台で生まれ、祖父も父も歯科医師でしたが、元々は家の近くに養豚場があったので、家畜を診る獣医師になりたいと思っていました。ただ、獣医の場合、牛のお産で三日三晩寝ないということが当たり前で、身体的に厳しく、責任をもって診ることができないと思い諦めました。祖父も父親も歯科医師だったこともあり、同じ医師なら歯科がいいかなと思い、目指すことにしました。

阿部歯科医院の特徴を教えてください。

当院は歯周病治療を基本とした、補綴に力を入れている歯科医院です。矯正歯科や小児歯科、外科手術、インプラントなどの治療は、専門の先生にお任せする分業体制にしています。優秀な技術をお持ちの先生に手術などは依頼し、当院では、歯周病治療で口内の状態を整え、被せ物・義歯の作成、装着とその後のメンテナンスを行っています。 また、私は入れ歯の専門家でもあります。下顎総義歯の吸着という、それまでの歯科の常識では不可能だった技術を1999年に開発し、日本だけでなく世界に広めました。英語版の書籍も出版し、海外で講演も行っています。常に最高の義歯を追い求め、近年は入れ歯を手作りではなく、デジタルで作る研究も進めました。デジタル入れ歯は、技工時間も短縮できますし、ヒューマンエラーを減らすことができるので世界中で脚光を浴びています。現在日本の開業医で実践している歯科医師は私含めて二人だけです。 当院は8割が自由診療ですが、精度の高い治療を求めて、遠方からも多くの患者さんに来院していただけています。 院内は、ユニットを4台設置しており、すべてが個室になっているので、プライバシーも守られています。

今後の歯科業界についてと展望を教えてください。

日本は、保険でほとんどの歯科治療ができると思っている方が多い国です。費用をかけてしっかりと治療を受ける習慣がありません。ただ、保険治療でいいという人だけではなく、数%の患者さんは最高の治療を求めています。なので、歯科医師側としては、保険治療の場合は、広範囲になんでも浅く広くできるような技術が必要ですし、専門特化する場合は、より一点集中で技術の向上に努める必要があります。 今後に関しても、これまでと同様にベストフィットの義歯を追い求めていきたいと思います。そもそもデジタル入れ歯を始めた理由も、ただ単に技工時間が短縮できて、楽になるからではなく、デジタルを使って最高の義歯を求められると思ったからです。これからも最高の義歯を追い求め、患者さんが喜ぶ姿を見ることが楽しみです。

この記事に関連するキーワード

ヘルプ