日本口腔外科学会の専門医として、豊富な実績をお持ちの佐々木先生。神経の損傷に関してはトップランナーとして活躍されています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
歯学博士
日本口腔外科学会 専門医 指導医
日本顎顔面インプラント学会 指導医
日本歯科人間ドック学会 認定医
日本再生医療学会 認定医
東京歯科大学 口腔顎顔面外科学講座臨床教授
著書、執筆実績多数
先生が歯医者を志したきっかけは?
父親が歯科医師で、私は長男だったので、跡継ぎになるべく歯科医師の道を選びました。結果として、私は大学に残り口腔外科の道に進んだので、跡継ぎは弟に託しました。
佐々木歯科・口腔顎顔面ケアクリニックの特徴を教えてください。
私は大学の口腔外科に残り、その後亀田総合病院に在籍し、24年研鑽を積んでまいりました。館山市には、口腔外科を専門に診る歯科医院がなく、私のところで口腔外科疾患の8割は対応できるという自信があったので、全身麻酔をして手術ができる設備と入院施設を完備した歯科医院をこの地に開院しました。近隣の内科や整形外科などの先生との連携もうまく取り、患者様をサポートしています。
また、私は日本口腔外科学会の専門医として、長年の口腔顎顔面外科の治療実績があります。むし歯から骨折などの口腔顎顔面外傷、顎関節症、顎変形症や口腔がんに至るまで、幅広く診療を行っています。当院だけで口腔がんに関しては、200例以上の実績があります。口腔顎顔面の神経も専門としており、こちらの手術に関しては大学でやらせていただくのですが、ロサンゼルスやスペインなど世界中から患者さんに来ていただいています。
治療の際はエビデンスを大事にしています。なんの裏付けもない治療や手術を行うわけにはいきませんので、すべてエビデンスに基づいて行っています。
当院では、カウンセリングやインフォームドコンセントなどによるコミュニケーションも大切にしており、患者様の立場に立って、患者様の気持ちになって考えることを心がけています。
今後の歯科業界についてと展望を教えてください。
昔は歯科といえば、虫歯と歯周病だけでしたが、今はありとあらゆる分野が入ってきています。医科が細かく専門分野に分かれていく中で、口腔外科、口腔内科(味覚障害、口腔乾燥症など)麻酔、審美歯科、訪問歯科、老年歯科などあらゆる分野が歯科一科に集中してきています。そうなると歯科医師の頭の中の整理がとても大変です。これが今後はある程度専門分野に分かれていくと思います。
その時に、開業される先生方が自分の診療所に1番適したものを、どうやって勉強して、どうやってスキルを身に付けて、発展させていくかが非常に難しいところでもありますし、取り組みがいがあるところだと思っています。
私は口腔外科の専門医資格を持っていますが、そういった専門医資格をうまく利用した開業も今後は問われると思います。ただ、学会に所属していないと専門医資格は取れません。そこが開業医の先生にとって取り組みにくいところです。1つ考えているのが、日本口腔外科学会の中に開業医の先生方のための研究会、分科会のようなものが作れるとより取り組みやすくなるのかなと思っています。医科にはすでにあります。脳外科学会は日本臨床脳外科学会、日本整形外科学会は日本臨床整形外科学会といったように元々大学にいた先生方が開業したあとに集まって作った学会があります。同じように開業医の先生が専門医資格を取得しやすいような環境作りをしてあげたいと思っています。
今後に関しては、研修医の先生をいかに育てるかをずっと考えています。去年は研修医の先生向けの講義をたくさんやりました。研修医の先生に話を聞くと、他の研修機関では、臨床しかやらないところもあるとのことですが、当院では、臨床の前にまず講義をやります。大学で教えてもらえなかったところや大学で習ったことをベースにしながら臨床に応用する講義をやってから臨床に入ります。研修医の先生には、こんなに教えてもらえるのかと喜ばれています。研修医施設としての充実にもより力を入れていきたいなと考えています。