日本補綴歯科学会の専門医、日本口腔インプラント学会の専門医資格を取得されている尾関先生。知識や経験に裏付けされた専門性の高い治療を提供しつつも、現状に満足されることなく患者さんにより良い治療を提供するために研鑽を続けられています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
歯学博士
日本補綴歯科学会 専門医
日本口腔インプラント学会 専門医 指導医
OAM(大口式)先進インプラント指導医
元昭和大学インプラント科教授
先生が歯科医師を志したきっかけは?
元々医学に興味があり、人の役に立てる、人に喜んでもらえる仕事に就きたいと思っていたので、東京医科歯科大学の歯学部に進学しました。
また、私の親友が歯科医師になったので、親友と同じ職業に就くのも面白そうだと思ったことも大きなきっかけの1つです。
巣鴨デンタルクリニックの特徴を教えてください。
大学卒業後は大学院に進学し、医学部の先生と一緒に病理学の研修をしながら全身の病理について学びました。そこでは病理診断学といって、患者さんのお口の中の組織の一部を採取して、顕微鏡で癌の有無などを診断し、その結果をもとに治療方針を決めていました。その経験から当院でも、患者さんのお口の中の異常に対して病理診断を行ったり全身の状態からお口の中を診ることができるところが特徴です。
病理学を学んだあとは、口腔外科で研鑽を積んできましたので、例えば、お口を怪我して出血が止まらなかったり、親知らずを抜きたいという患者さんに対して外科処置を行っています。また、大きな病院で処置をしなければならないケースに関しては、大学病院や近隣の大きな病院を紹介させていただくことも可能です。
さらに口腔外科で研鑽を積んだあとは、補綴といって、入れ歯や被せ物、インプラントについても学んできました。特にインプラント治療は約40年前の日本ではまだほとんど行われていなかった時代にスウェーデンに留学して、いち早く学び取り組んできました。また、私は昭和大学に35年間在籍して、そこでインプラント科の教授も務めていました。なので、歯をやむを得ず失ってしまった患者さんに対して、インプラントはもちろん、入れ歯やブリッジを用いて修復する補綴処置を得意としています。そんな私の治療を求めて、日本全国だけでなく海外からもご来院いただいています。
その他に炭酸ガスレーザーを活用した治療にも取り組んでいます。これは歯周病にとても効果的で、外科手術をすることなく、レーザーを活用して、患者さんご自身の免疫力で自然に治していくことができるところも特徴です。
当院が1番大事にしていることは、患者さんが治療を受けて良かったと満足していただくことです。そのために、まず患者さんのお悩みをしっかりとお聞かせいただいた上で、その悩みの原因がどこにあるのかを見極めて、最適な治療方法をご提案させていただきます。そのご提案も選択肢を1つだけ提示するのではなく、複数提示させていただき、患者さんに選んでいただきます。専門的なことを押し付けることは絶対にしません。患者さんファーストで、寄り添った診療を心がけています。
当院では、治療前、治療途中、治療後にお口の中の写真を撮っています。また、CTスキャンのデータをコンピューターに入れて、インプラントをする際や親知らずを抜く際に安全に治療を進めていくためのコンピューター診断も行っています。撮影したお口の中の写真やコンピューター診断の結果を画面でお見せしながら視覚的にもわかりやすい説明を心がけ、患者さんがその説明をご理解・ご納得していただいてから治療を開始しています。
今後の歯科業界についてと先生の展望を教えてください。
今後の歯科業界は従来の保険診療中心の歯科医院と専門分野に特化した歯科医院に大きく分かれていくと思います。保険診療で行うことができる治療にはどうしても制約があり、治療技術や材料、時間に縛られることなく治療をするには自費治療になります。
自費治療の歯科医院を患者さんが選ぶ目安としては、専門医資格を取得している歯科医師が在籍しているかが1つの指標になっていくと思います。その専門医資格は現在歯科においては、口腔外科、歯周病、小児歯科、歯科麻酔、歯科放射線の5つの専門領域が国から認証を受けており、専門医に関する標榜が可能になっています。また、私は日本補綴歯科学会の専門医資格を取得しているのですが、補綴の専門医に関しても新たに標榜していいことが国から認められました。
割合的には保険診療中心の歯科医院が大多数を占めると思いますが、歯科医院の中の恐らく2割くらいは国から認められた専門分野に特化した歯科医院になっていくのかなと思っています。
今後に関してですが、歯科医師になってから約45年で積み上げてきた知識や技術、経験などを活かして、手堅い治療をやっていきたいです。
ただ、デジタルに代表されるような新しい技術も歯科業界に出てまいりました。今後もどんどん技術革新は起こっていきますので、45年で培った手堅い治療も大切にしつつ、その上で最先端の技術や新しい材料などを取り入れて、患者さんのお役に立てる医療を提供していきたいと思います。