大正時代の創業から100年以上に渡り、地域に根差した診療をご提供されてきた海野歯科医院。海野航先生は、蕨市・戸田市では唯一の日本補綴歯科学会の専門医資格を取得されており、専門性の高い治療を行っています。そんな先生に医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただきました。
日本補綴歯科学会 専門医
日本老年歯科学会 認定医
先生が歯科医師を志したきっかけは?
代々歯科医師の家系で、私で4代目になります。幼少期から祖父と父親の診療している姿や患者さんが治療を受けて笑顔になって帰っていく姿をよく見ていました。その影響から、祖父や父親の姿に憧れを抱き、小学生の頃にはすでに歯科医師を目標にしていました。
海野歯科医院の特徴を教えてください。
当院は大正12年に開業してから100年以上地域の歯科医療に貢献してまいりました。昔からずっと通っていただけている患者さんもたくさんいらっしゃいますので、大学病院や町の診療所での経験も活かして、地域の患者さまに寄り添った診療を心がけています。
大学時代は義歯とブリッジをメインで学び、蕨市・戸田市では唯一の日本補綴歯科学会の専門医資格を取得しています。元々手先が器用だったので、専門医としての知識と器用さも相まって、総義歯・部分義歯をはじめ、クラウンやインレーなどの修復物に関して、他の医院よりもクオリティの高いものをご提供することができると自負しています。
当院は院内技工にもこだわっています。歯科技工士と密に連携が取れることは患者さんによって非常に重要なことだと考えているので、院内に歯科技工室を完備して、精密な詰め物や被せ物を歯科技工士が製作しています。
患者さんと接する際はコミュニケーションをしっかりと取って、信頼関係を築くことを大切にしています。今年医院を改装したのですが、その際に1番こだわった点がユニットブース内のスペースの広さです。スペースを広くしたことにより、患者さんと向き合って話をすることができるようになりました。患者さんがどういったことを望まれているのかしっかりとお話を聞かせていただき、そのご希望に対してどんな治療が必要なのかを丁寧にご説明の上、同意いただいてから治療を開始します。
改装前は医院に入ってから一段上がってスリッパに履き替えていただく必要があったのですが、改装にあたってバリアフリー設計にしました。1階に関しては土足のまま入っていただけますし、スロープも完備しています。白と水色が基調のクリーンなイメージの院内にはプライバシーに配慮した個室の診療室も完備しています。
最新のセラミック治療設備「セレック」も導入しました。セレックは即日詰め物を入れられるというメリットがあるのですが、速さ以上に感染しないことが重要です。治療の際にどんなに綺麗に治療をしても、削ったところに仮蓋をすることで感染のリスクが高まります。歯の内部に浸透してしまった細菌というのは簡単には取り除けないので、部分的な修復物であればセラミックを当日に入れることが歯にとって1番優しい治療方法だと考えています。
治療の際はレーザーを活用することもあります。このレーザーは虫歯を麻酔なしで痛みなく取ることができますし、歯周病治療や根管治療など様々な治療に応用することができます。また、このレーザーは水に当てると殺菌水に変わるので、歯の表面や歯周ポケット内が殺菌されてキレイになるなど、どの治療に応用しても今まで以上の効果を得ることができます。
当院では、位相差顕微鏡を用いた歯周病の短期集中治療(歯周内科治療)も行っています。まず歯周ポケット内の汚れ、プラークを採取して、顕微鏡で確認します。細菌がたくさんいることがわかれば、PCR検査を行い、どういった細菌がどれくらいの割合でいるのかを計測した上で、お薬を処方します。そのお薬が効いている約2週間の間に5回ほど通院していただき、口腔内の歯石、汚れをすべて取り除いていきます。短期集中治療により、治療後に歯周病が再発しにくいお口の環境に変えることができます。
当院は2階にも診療室があります。現在は治療をメインに行っていますが、今後は歯科衛生士をメインとした歯科医院でしかできないメインテナンスやホワイトニングにも力を入れていきたいと考えています。
今後の歯科業界についてと先生の展望を教えてください。
日本歯科補綴学会の専門医資格が日本歯科専門医機構に歯科で初めて追加で認定されました。そのことからも今後の歯科業界はより専門性が問われる時代になっていくのではと考えています。患者さんのインターネットでの情報収集力もとても上がっているので、今まで以上に専門医だからこそできる治療をしているところを選んで通われる患者さんも増えるのではと思っています。
ただ、その中でも1つの医院にしか行ったことがなく、通い慣れているところにずっと通い続けたい、すべての治療をお任せしたいと考えている患者さんももちろんたくさんいらっしゃいますので、地域に密着したかかりつけ医の存在というのはまだまだ大きいのかなと考えています。
今後に関してですが、地域密着の歯科医院として診療をしていくことはもちろんのこと、その中でも補綴分野に関しては、他の医院に引けをとらない、1歩リードした治療を提供していきたいと考えています。
また、当院のコンセプトは「患者さんに生涯寄り添う歯科医院」なので、痛いところを治療して終わりではなく、10年、20年後の将来を見据えて、患者様と一緒に歳を重ねながら、一緒にお口の状態を考えていくような歯科医院を目指しています。
生涯にわたって寄り添って、治療をしていくためには、当院に通院することが困難になってしまった患者様のところにお伺いして診ていくことも重要だと考えていますので、今後は訪問歯科にも力を入れていきたいと考えています。